2015年10月29日

3844:杭問題。

かつて…公共構造物の設計のお手伝いをしたことがある経験談から話します

…20年前の話になりますので、今同じやり方が継続されているか否かは、
長らくその業務から離れているので分かりませんが…。

例えば…橋の橋脚の設計をやると仮定します。

その場合、

・橋本体…「上部(構造物)」という)の重さ
(舗装や、欄干など…「付帯構造物」という…を含める)
・橋脚…「下部(構造物)」という…の重さ
・交通量による荷重
・川の水量(氾濫に繋がるようなMAXの流量や水位)

など多岐にわたって「橋にかかる負担」を考慮し、その結果と、

・現地の地質
・景観への影響

などと照らし合わせて、
橋をどんな構造にするか…を数案設計します。
ごくごく分かりやすく言うと、

「吊り橋にするか桁橋にするか」

みたいな感じです。
「橋の種類・構成」「橋の博物館とくしま」「徳島県HP」より)
の中ほど「形式による分類」を観て頂くと分かりやすいと思います
…徳島県の回し者みたいだね(笑)。


で…その時に…偽装では無いですけど、同じ橋脚でも隣接する杭で
支持層の深さは違う場合も少なからずあります(今回の問題でもそうですよね)が、
設計段階で杭設置想定位置全てを地質調査(ボーリングなど)をすることはなく、
工事場所の代表地点何ヶ所かで行い、その平均値なり最深値なりを
「この工事地点のおおよその地質」とし、概算を出すことはあります…
というか、設計段階ではそういうことのほうが多かったです…。

で、そんな設計が承認されて、実際に工事になりますが、
設計より支持層が深い場合も…勿論浅い場合もありますので、
現地状況に合わせて支持層まで適切に杭を設置(「打設」という)します。

その時に、今回の問題の一つである
「杭が支持層までちゃんと到達しているかの確認」
をしっかりやる
訳です。

で…ここからが違うんでしょうけど、

「不特定個人との売買や貸し借りが発生しない構造物」
(それこそ公道の橋とか)

では、

「ここの杭では支持層までが設計より◯メートル深かったので
完成時の清算でこれだけの額増やしてくださいね」

など、杭に限らず全ての工種で受注業者が算段をし、
それを元に発注者は「増額の可否」を検討し、
最終的な工事額(≒支払額)を算出します。

時には「これは認められない」という場合もありますが、
金額的・また構造的に大きな変更があったものほど、
認められやすかったように記憶しています。

これが…今回マンションなどの集合住宅にほぼ集中しているのは、
「工事状況による増額」が、最終的には

「販売価格(賃貸の場合は家賃)」

に反映され、売れ行きに影響を与えるから…でしょう。

勿論、安全性は何よりも優先されるべきなので、
関東、阪神・淡路、東日本など幾多の大震災を経験している日本人ですから、
桁が違うとか、倍半分変わるとなれば別でしょうけど、
分譲であれば何千万の中の何万、家賃であれば何万の中の何百円…程度なら、
「安全を担保するための額」と説明すれば、
全くとまでは言わないけど、そんな影響するとは思えない
んですけどねえ…。

…久々に長々と書いてしまいました…
その結果、大散文になってしまいましたが(苦笑)。


ではでは。
posted by いなちゃん at 15:48 | 香川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の私感2015 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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